FrameMakerのファイルを開くと毎回「非決定の相互参照が…」のアラートが!

FrameMakerを使ってドキュメントを作成していくと、FrameMakerのファイルを開いた時に、「非決定の相互参照」のアラートが表示され、ビックリすることがあります。

具体的には、このようなメッセージです。

「XXXXXXX.fm」には、非決定の相互参照があります。決定方法は、ユーザーガイドまたはオンラインヘルプを参照してください。

(画像は、FrameMaker 12です。以降同様です。)

 

FrameMakerを使いはじめたころは、よくわからずアラートにしたがってマジメにつなぎ直したり、相互参照を更新したりするのですが、次回ファイルを開いた時に、また「非決定の相互参照が…」のアラートが…。

なぜ、相互参照がファイルを開きなおすたびに切れてしまう(非決定になる)のか分からず悩んでしまうことがあります。

ただ、大抵の場合、ブック内のファイルを全て開き、「ブック更新」で「全ての相互参照」を更新すると「ブックエラーログ」に非決定の相互参照が表示されること無く、更新できてしまいます。

 

あれ?!相互参照、切れてないじゃん!

 

そう思ったあなたは正しいです。

全ての相互参照を更新して、「ブックエラーログ」に非決定の相互参照が表示されなければ、相互参照に問題はありません。もし、ここで非決定の相互参照が表示されていれば、それは、修正すべき箇所です。

では、なぜ相互参照に問題がないのに、ファイルを開いた時に非決定の相互参照のアラートが出てしまうのでしょうか。

実は、すごく単純な話なのです。

開いたファイルにある相互参照が、別のファイルを参照していると、その参照先のファイルがまだ開かれていなかった場合、参照先が無いと判断され非決定の相互参照アラートが出てしまうのです。

 

例えば、ブックに先頭から「A.fm」、「B.fm」の順にファイルを登録してあり、「A.fm」のファイル内には「B.fm」への相互参照が貼られているとします。

全ファイルを開こうとした時、ブックの先頭にあるファイルから開かれていきますが、

この「A.fm」を開いた時には、まだ「B.fm」は開かれていません。そのため、FrameMakerは、「参照先が無いぞ!」と判断し、実際には参照先があるにもかかわらず、アラートを出してしまうのです。そのため、ファイルを全て開ききったあとに、全ての相互参照を更新してもブックエラーログには、非決定の相互参照が表示されないのです。

 

アラートのあの一文ももっと親切に、「決定方法は、ユーザーガイドまたはオンラインヘルプを参照してください。あるいは、参照先のファイルがまだ開かれていない可能性があります。」など、付け加えてくれたら分かりやすいのになと昔から思ってました。

 

つまり、結論的には、ファイルを開いた時に表示される非決定の相互参照アラートは、「気にしない」で大抵大丈夫です。

ただし、全てのファイルを開いているのに、相互参照を更新して「ブックエラーログ」に非決定の相互参照が表示される場合は、ちゃんと修正しましょう。

 

ちなみに、Adobeさんも、ファイルを開いた時の「非決定の相互参照」のアラートが少々面倒くさいと気づいたのか、FrameMaker11あたり(うろ覚えです…)から、このアラートを非表示にできるように設定することができるようになりました。

設定方法は、FrameMaker12を例にとると「編集」→「環境設定」→「グローバル」の「警告」をクリック。「ファイルには非決定の相互参照が含まれています」のチェックを外せばOKです。

これで、スッキリ開けます。

 

所在不明のフォントについても、注意点があるのでいずれまた…。

FrameMakerとInDesign

新規にドキュメントを作成する際、仕様ツールについても検討されると思います。

どんな基準で検討されているでしょうか?

今回は、FrameMakerとInDesignについて比較してみようと思います。

基礎的な比較はAdobeのヘルプにお任せします。

https://helpx.adobe.com/jp/x-productkb/multi/217.html

ここで比較しなくても既に、様々に高度な比較をされているサイトが存在すると思いますが、少しだけ違和感があるのは、FrameMakerをいわゆる「DTPツール」として捉えていたり「ワープロ」として捉えていたりすることです。

その捉え方は、、、正しいです 😀

ただ私はFrameMakerをシステムだと捉えています。これは言葉のニュアンスなのでどれが正解とかの話ではなく、感じ方の話です。

一般的には、DTPツールの代表格といえばAdobe Illustratorがあがると思いますが、これと良好な関係を保っているのがAdobe InDesignです。デザインに主眼を置いているツールです。私はInDesignを「ページレイアウトツール」と呼んでいます。

InDesignは「印刷」に特化しておりまして、その機能は目を見張るものがあり、素晴らしいです。

色の管理もInDesignが優れていますし、テキストがオーバーフローしていたら知らせてくれるなど、親切心いっぱいです。

フローを自由に配置しデザインしていく「ページレイアウトツール」です。

対してFrameMakerはメインフローを真ん中に据え、そこに内容を流し込んでいくようなイメージです。

色の管理やグラフィックの描画に関しての機能はInDesignに比べれば貧弱と感じるでしょう。しかし、FrameMakerの真価はそこにはなく、「構造化」文書の作成時にこそ真の力を発揮すると考えています。

「構造化」文書とは単純にXMLを指すわけではなく、構造規則のもと作成されている文書のことですが、話が長くなるのでここではXMLをイメージしていただいてもかまいません。

FrameMakerはXMLを取り扱うアプリケーションとして非常に強力です。

スタイルや構造を定義するEDD(Element Definition Document)や読み書きルールなどを含む「構造化アプリケーション」を開発することによって、XMLを詳細にコントロールすることが可能です。

XMLを強力にコントロールできるツールでありながらWYSIWYGのエディターであることが、FrameMaker最大の特徴だと私は捉えています。

長くなってしまったので、また次回…

 

 

 

オブジェクトスタイルについて

オブジェクトスタイルは使いようによっては良いものですが、注意が必要です。

FM→XML→FMという順路をたどる(ラウンドトリップ)ことを仮定します。

  1. 描画されたLineオブジェクトに、線の両端が矢印になる「Arrow」オブジェクトスタイルが適用されています。

    オブジェクトスタイルがLineオブジェクトに適用されている状態
    オブジェクトスタイルがLineオブジェクトに適用されている状態
  2. このLineを「オブジェクトの属性」パネルから変更すれば、通常、オブジェクトスタイルは外れます。
    オブジェクトの属性パネル
    オブジェクトの属性パネル

    オブジェクトの属性パネルでオブジェクトを変更した結果
    オブジェクトの属性パネルでオブジェクトを変更した結果
  3. しかし、グラフィックツールからオブジェクトを変更すると、オブジェクトスタイルは適用されたままです。オブジェクトがオーバーライドされた状態になるのですね。

    グラフィックツールでオブジェクトを変更
    グラフィックツールでオブジェクトを変更
  4. 「3.」の状態のままXMLに書き出して、再度FrameMakerで開く(ラウンドトリップ)と、オブジェクトスタイルが再度適用されますので、以下のような状態になってしまいます。

    ラウンドトリップした結果
    ラウンドトリップした結果

これを理解しないまま、オペレーターに業務が移行するワークフローであればどうでしょうか。

ちょっと取り返しのつかないことになる可能性がありますね。(もちろん状況によりますが)

 

EDDなど含めFrameMakerに関してのご相談は是非、弊社に!

PDF書き出せない問題

Windows 10 バージョン1803 にアップデートすると、FrameMakerからPDFが生成できなくなるという問題があります。(2018/05/22現在)

FrameMakerコミュニティフォーラムに記事があります。

https://forums.adobe.com/thread/2488236

本家フォーラムにも話題があがっています。

https://forums.adobe.com/thread/2476727

Microsoftは現在バグ修正に取り組んでいるようですが、現状としては、Windowsをロールバックするしか回避方法は無いようです。

弊社でも1803から1709にロールバックする必要に迫られまして、無事これを行いました。ロールバックによってもたらされる目立った不具合はありませんでした。(潜在的にあるのかどうかはわからないです)

Windowsのバージョンの調べ方は、「Windowsキー + R」で「winver」で「OK」してください。

FrameMakerの表設定

表があります。

それぞれのセルの塗と罫線の設定は、「表から」です。

複数のセルを選択してみます。

設定は「表から」です。当然ですね。

異なる組み合わせの複数セルを選択してみます。

!?

カラー混合って、なんでしょうね?

しかも単に表示だけの問題ではなく、これが原因で余分な「カラー」を削除できなかったりします。(正確には、その「カラー」を使用しているとFrameMakerに注意されます)

・・・・

マスターページテキスト枠の種類

マスターページに配置されているテキスト枠があるとします。

そのテキスト枠の種類(下図参照)、「バックグラウンドテキスト」なのか「ボディページのテキスト枠用テンプレート」なのかを判別する方法はありませんよね?

このテキスト枠の「種類」はマスターページにおけるその配置とボディページに反映される際に、重大な影響を及ぼします。

「バックグラウンドテキスト」だと配置可能な位置にも、「ボディページのテキスト枠用テンプレート」だと配置できなかったりします。
オブジェクトの属性を確認して位置の設定(数値)が同じでも位置が異なるということです。実際に起こり得ます。

影響を及ぼすにも関わらず、その「種類」を判別する方法が用意されていない(スクリプトからも確認できませんでした)のはどうかと思います。

私の知識不足も十分考えられますので、ご存知の方はご教授お願いいたしますm(_ _)m

 

段落のユニークID

こんにちは。

しおり付きのPDFをFrameMakerから作成した際、何故かしおりの飛び先が異なるということが発生することがあります。実際に経験したことですので、間違いなくあります。

私が経験したケースですと、その原因は「段落のユニークIDの重複」でした。

作成元のFrameMakerファイルは、構造化された(この場合の構造化とはFrameMakerでのタグ付けを意味しています)ファイルでしたので、しおりが明示的に示されたエレメントのIDを目指して飛んでくれていたら起きなかった問題ですが、段落のユニークIDを目指していたので、重複した段落のユニークIDのうち、先に出現した段落を目指して飛んでしまっていた。ということです。そしてこれは同一ファイル内で発生したことです。

これは戸惑いますよね。
もし、同様の症状が発生した方がいたら、「段落のユニークIDの重複」を疑ってみてください。

マスターページの数

FrameMakerのマスターページの数ですが、ヘルプにはカスタムマスターページは100種類まで。という記述があります。

【参考】FrameMakerヘルプ

しかし、

上図のようにマスターページを100個以上に増やすことは可能のようです。

 

あけましておめでとうございます。

石川でございます。
Adobe FrameMaker。とても良いソフトでございます。

ただマスターページが100個までしか増やせません。
【参考】FrameMakerヘルプ

せめて200個にしてほしいものです。

手段としてのCMS。でも、いつの間にか手段が目的になっていませんか?

このところ、お客様からCMSのご相談を受けることが多くあります。
CMSは、大量のドキュメントを運用管理し効率化するのには非常に有効な手段です。
ただ、導入にあたっては、コストや人材など越えなければならない壁が存在します。

目的と手段

目的や予算、規模に応じてドキュメントの作成方法(手段)を選ばなければ過剰な投資であったり、導入してもうまく運用できない事態に陥ってしまうこともあります。そのため弊社では、CMSを含め最適なドキュメントの作成方法をご提案しております。
しかし、お客様からCMSのご相談をいただき、お話していて時折感じるのは、いつの間にか「目的を達成するための手段としてのCMS」だったはずが、「CMSの導入自体が目的」となってしまっていることです。
たとえば、web化を目的としているのならば、FrameMakerでしっかりと作り込んでおけばFrameMakerからの書き出しでレスポンシブHTMLを書き出すこともできますし、コストダウンとWeb化が目的であれば弊社のA-SYSソリューションがコストダウンやweb化だけでなくスモールスタートを実現しながらCMSでは難しいレイアウトにも柔軟に対応できます。
しかし、CMSをお考えのお客様に目的実現のためCMS以外のご提案をしても、なかなか受け入れてもらえないのが現実です。
それは、私たちの説明力不足、コミュニケーション力不足も意味していますので、今後精進すべき課題ととらえています。

FrameMakerは過去のもの?

どうせ導入するなら新しい技術のCMSがいい、今さらFrameMakerじゃ…と思われがちです。
ここ数年テクニカルドキュメント業界ではCMSがブームです。それに対し、FrameMakerってまだあったんだねと言われる始末です。
確かに、FrameMakerは一時バージョンアップも滞り、InDesignの普及により日本では影の薄い存在となってしまいました。
しかし、現在では定期的にバージョンアップも行われ、XML、DITAはもちろんCMSとの連携や実用的なHTMLへの書き出しなど、時代にあわせ最新の技術にも対応した非常に柔軟性のあるアプリケーションにアップデートされており、FrameMakerに対する認識を改める必要があります。

目的を達成する手段は、一つとは限りません

何が目的かを中心に据えてお客様のドキュメントに合った最良の方法を一緒に考えていきたいと思います。私たちはそのために、それぞれのメリット、デメリットを含めてご提案しドキュメント作りのお手伝いをさせていただきます。
もちろん、目的だけでなく、将来的なビジョンがあってCMSを必要とする場合もあります。その時は、もちろんCMSをご提案させていただきます。
この様に、弊社では従来のFrameMakerやInDesignによるドキュメント作成から、CMSとFrameMakerを組み合わせたり、ブラウザベースのクラウド型CMSまで、ドキュメント制作の経験を生かし様々な手段をお客様の目的に合わせてご提案しております。

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